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2018.02.05日文研の話題 日文研木曜セミナー「「夷酋列像」というメディア」を開催しました(2018年1月25日)

 「夷酋列像(いしゅうれつぞう)」という絵をご存知でしょうか。江戸時代後期の画人、蠣崎波響(かきざきはきょう)が描いた、アイヌ首長たちの肖像画です。今回の木曜セミナーでは、昨年10月に日文研に赴任した白石恵理助教が、その詳細について発表を行いました。
 
 「夷酋列像」は、寛政元年(1789)に蝦夷地で起きた「クナシリ・メナシの蜂起」を鎮圧する際、松前藩に協力し「功績」があったとされるアイヌの首長12人の姿を描いたもので、当時の和人が見たアイヌ民族のイメージを知るうえでも重要な資料です。発表では1984年にフランスで発見された原画の写真をもとに、その制作の経緯と図像の特色について概観しました。そして、1年かけて制作したこの作品をまず京に運び松前藩が真にアピールしたかったこととは、蝦夷地に対する万全の支配力に加え、アイヌ民族に関する「真実」の情報(実際には虚構だが)と、松前藩の文化度の高さだったのではないか、という見解が述べられました。
 
 発表後、コメンテーターの田島達也教授(京都市立芸術大学)は、日本の絵画史上、画題においても形式においても「夷酋列像」に類するような作品は見当たらず、これまでは民族資料として展示される機会が多かったが、他の絵画や画人に与えた影響など、美術作品として再評価する必要がある、と指摘されました。
  • 白石助教による発表 白石助教による発表
  • 田島教授によるコメント 田島教授によるコメント
  • 会場の様子 会場の様子

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